[読んだ] もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

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いつものお決まりどおりにお掃除しようとしてたんだけど、胃痛がひどすぎたので布団で読書の続きでした。

この本は、ドラッカー生誕100周年の記念で書かれた小説です。この小説の中では、マネージャーの女の子が P.F.ドラッカーの古典「マネジメント」を読んで、野球部を甲子園に導いていく物語となっています。言ってみれば、「マネジメント」を小説の形で紹介している、入門書と考えて良いと思います。
ここから得られるものは二つです。

  1. 重要と想定される部分がピックアップされており、マネジメントの重要なポイントが分かりやすい
  2. 実事例でないにしても、実際のマネージメントにたいして、どのようにそのポイントを適用すればよいか、たいていの人が分かるであろう野球でたとえられている

企業でとられるマネジメントから離れ、より、一般的なマネージメントの分野に適用していることで、物事の本質が逆に分かりやすく描かれていると感じます。大判なので時間かかりそうですが、開いたら分かるように、文字は大きくて白いスペースが大半を占めてます。コスパわるい orz

実際の小説自体の内容ですが、卑怯な技を使っているので、良かったと感ぜざるを得ません。あんまり好きな手法ではないですけど、王道的なので小説自体がつまらないと言うことはないと思います。

マネジャーの資質 (p.17)
人を管理する能力、議長役や面接の能力を学ぶことはできる。管理体制、昇進制度、報奨制度を通じて人材開発に有効な方策を講ずることもできる。だがそれだけでは十分ではない。根本的な資質が必要である。真摯さである。 (p.130)
組織の定義 (p.24)
あらゆる組織において、共通のものの見方、理解、方向付け、努力を実現するには、「われわれの事業は何か。何であるべきか。」を定義することが不可欠である。 (p.22)
顧客とは何を指か (p.36)
従って「顧客は誰か」との問いこそ、個々の企業の使命を定義する上で、最も重要な問いである。(p.23〜24)
やさしい問いではない。まして答えの分かりきった問いではない。しかるに、この問いに対する答えによって、企業が自らをどう定義するかがほぼ決まってくる。(p.24)
企業の成長 (p.119)
成長には準備が必要である。いつ機会が訪れるかは予測できない。準備しておかなければならない。準備ができていなければ、機会は去り、他所へ行く。(p.262)
企業にとっての資産とは何か (p.121)
人は最大の資産である。(p.79)
人が雇われるのは、強みのゆえであり能力のゆえである。組織の目的は、人の強みを生産に結びつけ、人の弱みを中和することにある。(p.80)
彼女の強みに目がいくようになった。彼女の良い点ばかり探すようになった。〜(中略)〜 なぜなら、彼女の強みを生かさなければ、マネジメントの成功はあり得ないからだ! (p.122)
自戒の念をもっとも引きつけられた部分です。悪いとこを見てしまうんですよね。ついつい。他人の悪いとこを見て、誇大解釈してしまう自分がひどく黒いと感じるのですが、それでも世間一般では、ピュアホワイトとして名高いです。世の中は、もっと汚いの?w
仕事を生産的なものにする 4つのもの (p.134)
  1. 分析である。仕事に必要な作業と手順と道具を知らなければならない
  2. 総合である。作業を集めプロセスとして編成しなければならない。
  3. 管理である。仕事のプロセスの中に、方向づけ、質と量、基準と例外についての管理手段を組み込まなければならない。
  4. 道具である。

(p.62)

戦略と変革 (p.144)
イノベーションの戦略は、既存のものはすべて陳腐化すると仮定する。〜(中略)〜 イノベーションの戦略の一歩は、古いもの、死につつあるもの、陳腐化したものを計画的かつ体系的に捨てることである。イノベーションを行う組織は、昨日を守るために時間と資源を使わない。昨日を捨ててこそ、資源、特に人材という貴重な資源を新しいもののために解放できる。(p.269)
マネジメントの正統性 (p.171)
正統性の根拠は一つしかない。すなわち、人の強みを生産的なものにすることである。これが組織の目的である。〜(中略)〜 組織とは、個としての人間一人ひとりに対して、また社会を構成する一人ひとりの人間に対して、何らかの貢献を行わせ、自己実現させるための手段である。(p.275〜276)
アイデアの良し悪しとは (p.175)
弱みがないことを評価してはならない。そのようなことでは、意欲を失わせ、士気を損なう。人は、優れているほど多くのまちがいをおかす。優れているほど新しいことを試みる。(p.145〜146)
集中の目標 (p.184)
マーケティングに関わる目標について、〜(中略)〜 実は次の二つの基本的な意志決定の後でなければ設定できない。〜(中略)〜 集中の目標と市場地位の目標である。
〜(注釈)〜 集中の目標は、基本中の基本と言うべき重大な意志決定である。(p.29)
目次
プロローグ
第一章 みなみは『マネジメント』と出会った
第二章 みなみは野球部のマネジメントに取り組んだ
第三章 みなみはマーケティングに取り組んだ
第四章 みなみは専門家の通訳になろうとした
第五章 みなみは人の強みを生かそうとした
第六章 みなみはイノベーションに取り組んだ
第七章 みなみは人事の問題に取り組んだ
第八章 みなみは真摯さとは何かを考えた
エピローグ
あとがき

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