最近、地元も含め、東京都内を歩いていると、ありとあらゆる場所で観光客が目につきます。
私が小さかった頃など、外人に会う機会などほとんどなくて、外人を見るたびに、指をさして「外人だ!!」 [I]そーゆーことしたらいけません と声高に叫んだ経験は、今のおっさんどもにはあると思います。
それがそれが。そこかしこで外人さんがいると共に、観光ではなくて生活している人もたくさん増えました。
仕事をしている人が、喫茶店などで、ふつーに英語で会話しているケースもよく見かけます。日本人も、英語での対応にも慣れてきたものですね。
私が20年前にドムドムで働いていた頃は、外人さんが現れると大騒動でした。
お前やれ、いやお前が最適だ、なんで今日に限って英語科の彼女はいないんだと。仕方なく、レジに立ってたどたどしく「May I help you?」と尋ねてみれば「チーズバーガーとコーラください」とか、日本語しゃべれるなら日本人の格好しろよ!!なんて感じたものです。
閑話休題
さて、最近ではそんな恐怖にかられるコトもなく、異人さんがいるのが当たり前の世の中になりました。
特に、中国、韓国を中心としたアジア圏の方が多いですね。中国人は群れてるのが目につきます。
私はどの国の人であろうと、観光できている人には優しくするコトと決めているので、とても優しい穏やかな目で彼らを眺めています。
そんな感じで、今日も品川駅港南口前で、記念撮影している韓国人のカップルがいました。特になんてコトはない、インターシティーをバックに彼氏の写真を撮っているだけです。よくあるコトですね。
その時にふと気がつきました。
俺たちは、インターシティーをバックに、意気揚々と写真を撮影するかと。自問自答です。あなたも考えてください。貴方は、品川のビルをバックに記念撮影をするでしょうか?
答えは、東京人なら、ほとんど「否」ではないかと推測します。
だって、いつでも来られるんだもん。いつでも見られるし、別に珍しいビルじゃないですよ。東京に住んでいて、そもそもこのビルを撮影するなんて奇行があるとすれば、それは酔っ払っている時に違いない。
でも、いろいろと思い返してみてください。記念撮影している異人さんたちが、どこで、何をバックに撮影しているかを。
東京タワー、スカイツリー、浅草寺雷門、OK、日本人でも撮影したくなるポイントだ。そこは、申し分ないだろう、何と言っても「観光ポイント」だし、普段から通っている人でもなければ、東京人でも撮影したいポイントだ。
ただ、他にもないか?
よくあるビル、駅、チェーン店、そこで撮影するのだろうかと言うポイントで、撮影をする観光客がいる。田舎から状況してきたからと言って、なにもスタバを撮影するとか、青森県民だけじゃなかろうか? [II]我が田舎、青森の皆様ごめんなさい
この違いはなんだろうか。
おそらく、文化や習慣、住んでいる地域が全く違うことから、東京に見る感動ポイントが異なるのだろうと推測できます。
日本にある観光ポイントも、地域や宗教観によっては嫌悪すべきものにもなりかねません。
その人にとって、何が観光のポイントとなるかは全く異なるということです。
同じ日本人でも、旅行中の移動が好きだという人もいるし、温泉が好きだという人も、駅や電車が好きな人も、風景が好きな人もいます。
それぞれの観光ポイントは全く違うわけで、ほら、見たまえこの山々を!と言ったところで、他の人にその素晴らしさが通じるとは限らないのです。
それぞれ、人は生まれ育った境遇も、環境も、性格も趣味も何もかもが違う、多様化した社会を営んでいます。自分の考えが相手に通じること自体が奇跡です。
相手が何を思い、何を考え、何をしたいか、それを完全に理解し合えることは難しいことでしょう。
しかし、相手がどのように感じているか、少しでも近づいていかなければ、お互いを理解していくことはできません。
ほんのちょっとした視点の違いが、各々の思い違いを産んでいるのだと考えています。
少し、視点を変えて、相手のいる場所に立ってみる。
普段、客としてはいるお店を、経営する、労働している側から見てみる。
普段、雇われている会社を、経営者として見てみる。
普段、罵っている相手を、罵られている立場として、罵っている人を見てみる。
ちょっと視点を変えてみたら、もっと相手を満足させられる、そして、自分も満足できるような社会が訪れはしないでしょうか。
そんな社会になれば、と少し考えています。
かしこ