一度、ちょっと調子を崩してしまうと復帰にものすごく時間がかかってしまうので、調子が崩れてしまうようなイベントを作ることも、参加することも、調子を崩す行動をしないように誓うしょっさんでした。
八方美人だった自分を少し律してあげることができるか否かってのはあります。
さて、私が「転職しようかな」って感じていた頃に、一人の先輩が今の会社を紹介してくれました。ウリ文句は「障害があっても連絡が来ないよ」でした。ほんとに連絡が来ないと言うか、電話ほとんどならないので、たまに電話がなると「また不動産か」みたいになります。いきなり電話くるとびっくりするので、事前にメッセージ送ってもらうと、心臓に悪くありません。
そんな、紹介してくれた先輩がもうすぐ弊社を去るようです。
会社に3年
その先輩は今の会社に3年半、わたしは今月末で3年経過しようという状況です。ここで、3年という時間経過について、以前と全くちがう面持ちになることに気が付きました。
以前の会社での3年は、とても短い。なんと言っても、1つの大企業またはホールディングスづけだったので、3年から5年の中長期計画をたてるところからビジネスは始まって。そこで予算をとったものから、どのような順番でどのように実現をしていくか。長い時間をかけて、1年で大きなアーキテクチャを1つ作り上げるかどうか、プロジェクトも1つできあがるかどうか。もちろん、すげー小さな案件は転がっていていますが、現行のリソース追加とか、ちょっとした仕様変更です。それでも、かなりの重労働で、今の会社で考えるととんでもない金額が動きます。とはいえ、アーキテクチャを考えると言うよりも、制限に引っかからないかどうか、見積もりにまちがいや不足がないかどうかのチェックがほとんどです。ミスがあると、自分らのミスなので、持ち出しにもなりますし対応策をねってるだけで日が暮れます。
目先の細々としたことをやっつけながら、大きな案件へ絡んでいると、2〜3年はあっという間です。そもそも一つの顧客担当となると最低でも2〜3年は担当、長いところでは10年位ずっと担当していました。もうそのお客様の担当外れてから10年位立ちますが、今でも全体のシステムについては詳しいものの一人が私でしょう。そんな10年もいたところでも、新しく作り上げた新規のアーキテクチャは10にも届かないでしょう。経験をするのに、そもそも時間がかかる。だから、3年なんてホントあっという間でした。
今の会社での3年は、とても長い。わたしの職種自体がアカウントに紐付けられているわけではなく、必要なお客様にアサインされるからという事情もあるでしょう。にしたって、前職と比較して担当するお客様の数は段違いです。会社の規模としては1/10程度ですが、インバウンドセールスを行っている企業も含め、コンタクトを取ったことのある企業数は10倍以上あるかもしれません。契約中の顧客数はだんちがいでしょう。売上や営業利益は全然ちがいますが。前職から見たら、実態はおいといて薄利多売ビジネスです。こうなると、新規顧客の数も多く、生み出されるアーキテクチャも、数知れずです。最近でこそ、似たようなアーキテクチャは増えてきていますが、四半期あれば数件の新しいアーキテクチャは作ってます。毎年毎年、あれよあれよと新しい機能も追加されていくので、去年できなかったことが、今年になったらできるということはとても多い。また、新しい機能は待っていたお客様も多く、新しいアーキテクチャを生み出すことが必然的に多くなりがちです。1日の密度がとても高くなってきていて、1日ぼーっとしているだけで、世間から遅れていきます。
目先の仕事をやっつけているだけで、新しい大きな商談がいくつかクローズしていきます。時のすぎるはあっという間ですが、1年はひじょーに長く感じます。1つのお客様にかかわる時間は、短くて30分から長くても数ヶ月。その数ヶ月の間、実際に関わっているのは数時間です。並行して何十件もの商談にからんでいますが、関わり方が疎結合なので、気がついたら関わっていた商談がクローズしているなんてザラです。何件クローズしたかなんて、レポートで見てみなきゃわかりません。多くの経験が短い時間で、あっという間に過ぎ去っていきます。3年は、あっという間でした。
あっという間の3年
以前の会社でも、今の会社でも3年はあっという間でした。ただ、密度がちがった。
クラウドの業種になったことで、余計な手間がなくなって契約すればすぐに使える環境が手に入ります。いや、契約する前からトライアルできるので「使ってみたい」と思った瞬間に、弊社に断りなく使えるようになってます。勝手に使い始めて「契約したい」ってこともあります。お客様から「こういう使い方したい」という依頼が上がってくることもあります。セールス・マーケティングの仕方が、もう全然ちがいます。前職もクラウドを持っていますが、オンプレビジネスに属していたから、この密度のちがいを感じていることは重々承知しています。とはいえ、そもそもがクラウドでスタートした会社は、何もかもが速いです。「え、そんな契約の仕方できるんだ」って感じですよ、ホントに。もう。
どちらの会社も3年は短いと感じます。ただ、短いという感じ方がちょっとちがいます。
前職では「3年経っても、これしか進んでない」で、今は「もう3年も経ってる」です。時間の捉え方が完全に真逆です。でも、過ぎ去っていく時間は同じく短いのです。後者の「もう3年か」の感じ方は「あーもうだいぶ働いたな、そろそろ別の会社考えてもいいかな」ってくらいの期間です。いや、まだ転職するつもりはないですけど、そんな気を起こさせてしまう時間の過ぎ方です。転職族の人らが「3年も働いたら十分だな、次のとこいこうかな」って言っていたのを何度か聞きましたが、今になってその気持がわかるような気がします。ずいぶんと働いた気がするんです、もう。
もちろん、今の会社の担当の製品に完全に精通したと言えるほどの経験を積んでもいませんし、もう誰もオレには叶わねぇぜとは思いもしませんけど「もう、十分働いた」って気にさせてくれる年月です、3年。前のところでは「まだ3年しか経ってない、ここで成果を上げるにはもう何年か必要だな」なんて感じていました。「もう3年も経ったけど、まだまだだ」って思うことが多かったので、10年でやめようかなって考えて就職した自分が、20年以上働くことにつながったのかもしれません。
どちらが良いとも悪いとも思いません。あの長く時間をかけて大規模なシステム開発に携わったことも人生で、早々できない経験です。2年かけて作り上げたアーキテクチャを、さらに2年かけて構築するとかよくよく考えると狂気の沙汰ですが、それも1つの良い経験でした。それがあって、今の短く感じる3年間があるわけで。あの経験がなかったら、今の会社で3年いたかどうかもわかりません。
どっちが良いかどうかではなく、今の時間の経過が早い業界にいると「3年もいれば十分じゃないかな」って感じる速度感。これがあるから、せっせと転職する人が多いんではないんかなと実感してます。なんでそんなに転職するんだろうって感じてましたが「機は熟した」みたいに感じる人も多い現場なんだなって感じています。長く居続けることも、転職しまくるのもどっちも自分の身の丈にあったようにすればよいでしょう。ただ、ビジネスのタイプによって、同じ期間もここまでちがう考え・感じ方になるんだって言うことに、最近気が付きました。比較できるのって面白いですね。
いろんな事に気が付かせてくれた先輩には「いってらっしゃい、またどこかで」って言葉で送り出せることができたことに感謝しています。