[キャリア] #qpstudy 2013.04 で、(自称)カリスマ塾講師が、新人へキャリアフレームワークの話をしてきた [将来]

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毎度の如く、”qpstudy 2013.04 on Zusaar” に出て遊んで発表してきました。
今回の内容は、新人向けLT大会ということで、そのLT大会の前に新入社員の方々向けに説教してきてみました。ITエンジニア界隈でよく話題になるものの、不透明感の高いキャリアの話です。

それはそうと、今回はスライドを作らずに、(自称)カリスマ塾講師として、ホワイトボードを黒板に見立てて授業風に試してみましたが。次のことが分かりました。

  1. 書きながら話す先生はスゴイ。あんなんムリだ。
  2. 目の前に人を呼びつけて、そこにむかって話し始めると、ぼけてる余裕はない
  3. スライドにネタを入れられず、話術だけでネタを入れていくことの難しさを知る
  4. 後ろにいる人には、ホワイトボードの内容が見えない
  5. スライドがないと、注意が散漫になり、話を聞かない人が増える
  6. 結果的に異常に真面目な話になる

もう二度とやらないと思います。

目次

ぼくたちは、どこから来て、どこへいくのか。今、どこへいて、なにを成すべきか。

人生に目標を立てることは、自分の立ち位置や、生きる価値を見いだし、社会へ貢献するための糧となる云々など考えてはいませんが、少なくとも自分が業界から見てどこにいるのか、そもそも業界にはどんな仕事があって、自分はどのように役に立っているのかを知っていることは、知らないよりも良いだろうことは、中学生でも分かることと勝手に感じてます。
そこで、今回は新卒入社の人に、ITエンジニア界隈には、どのようなキャリアがあり、どのようなスキルを求められているのかを、伝えようと考えたわけです。

社内にロールモデルとなる人を見つけて、そこを目指して欲しい、とは簡単に言いますが、結構勝手な言いぐさです。会社や業種によって、ITのキャリアは全てを対象としているものではないわけで、それもしらずに身近にいる人をロールモデルとすることは、本当に正しいかどうか、判断できかねるでしょう。大きな世界を知った上で、近くにロールモデルとなる人が見つかることが望ましい、と考えて欲しいです。

キャリアフレームワーク

さて、そこで役に立つのが”共通キャリア・スキルフレームワーク“です。”独立行政法人 情報処理推進機構“では、ITエンジニアへ向けて、IT人材の標準化を進めています。その基礎となるのが、「共通キャリア・スキルフレームワーク」です。このフレームワークは、「ITスキル標準」「情報システムユーザースキル標準」「組み込みスキル標準」を参照してまとめられており、このフレームワークに準拠した「情報処理技術者試験」の枠組みが作られています。

このキャリアフレームワークの考え方は、大手IT企業、ユーザー企業などの民間企業のメンバーが参加して作成されている、まさに企業間の英知を超えた力作です。
作られている方のうち、数名知り合いがいて、そのご苦労は話を聞いています。このように、各企業の英知が詰まったフレームワークを参照することで、自分のキャリアを客観的に見つめられると考えて、この資料をベースにしました。

ITスキル標準

この中で、今回は ITエンジニアへ向けてキャリアとスキルの話をするにあたって、参考にしたのが”ITスキル標準V3“です。
これは、「共通キャリア・フレームワーク」の元ネタとなる一つの文書で、一般的なITエンジニア向けにまとめラテいる冊子になります。したがって、ITエンジニアにはこの冊子をベースに、自分の現状把握、将来の目標などを見ていただくことが望ましいと考えて参考にしました。

この”ITスキル標準V3“は、3つの「概要編」「キャリア編」「スキル編」の冊子からなっており、キャリア毎に詳細の資料が作成されている、膨大な情報の資料となっています。ぜひ、無関係だと考えずに参考になさったらいかがでしょうか。

この中で、ITエンジニアが必要とされるスキルには、二つの分野があると理解できます。「共通スキル項目」と「専門スキル分野」です。各々についてご説明しましょう。

共通スキル項目

共通スキルとは、どの専門分野でも必要とされる基礎的なスキルで、「プロジェクトマネジメント」と「パーソナル」のスキルが定義されています。
「パーソナル」スキルには、更に3つの「リーダーシップ」「コミュニケーション」「ネゴシエーション」のスキルを定義しています。

「技術があれば、人との関わりには時間を割く必要がない」と考える、職人気質のエンジニアは今でもいますが、共通スキルでは技術ではなく、全て「対人関係」のスキルを設定しています。
昔でこそ、技術さえあれば重宝される時代は終わりました。技術はあって当然、それでいて、かつ他者と円滑にプロジェクトを進める能力、チームをリードできて、他者とのコミュニケーションをスムーズに進められることを期待されています。

個人的に、人は感情に支配されて活動する生物だと考えていて、このようなコミュニケーションに関わる能力というのは、社会生活を営んでいく上で「必須」のスキルだと考えています。核家族化、ネットワーク社会において、コミュニケーションロス・コミュニケーション低下が叫ばれて久しいですが、これからの時代でこそ、対人関係の能力は、基礎的な能力として身につけていって欲しい、と考えています。

専門スキル分野

専門スキル分野は、実際のITエンジニアが活躍する業種・職種と連携したスキル項目となっています。
営業系、研修系も含めて、次の11の職種があります。

  1. マーケティング
  2. セールス
  3. コンサルタント
  4. ITアーキテクト
  5. プロジェクトマネジメント
  6. ITスペシャリスト
  7. アプリケーションスペシャリスト
  8. ソフトウェアデベロップメント
  9. カスタマーサービス
  10. ITサービスマネージメント
  11. エデュケーション

これらはスキルレベル 1〜7 でランクづけされていて、まずスキルレベル 1から進み、7で最大となります。職種や専門スキル分野を変更するときは、同一のスキルレベルで他の職種・スキル分野へ移行することとなっていて、スキルレベル 5の ITスペシャリストが ITアーキテクトへジョブチェンジをすると、スキルレベル5の ITアーキテクトになるなど示されています。
また、いくつかの企業では、一つの職種を選択するのでは無く、複数の職種を選択することが可能となっていて、スキルレベル4のコンサルタント、スキルレベル6のITアーキテクト、スキルレベル5のITスペシャリスト能力をもつ、という評価をしているところもあります。ある意味、これまでのスキルは捨てずに残るものですので、このように複数のキャリアを選択していくことは自然の摂理に従ったものです。今後、このように複数のキャリア能力を保持して運用していく会社も増えてくるのではないでしょうか。

キャリアフレームワーク
キャリアフレームワーク

こちらの表を見ていただくと分かるとおり、各職種には複数のスキルが定義されていて、各々についてスキルレベルが分けられています。また、スキルレベル1からできる職種と、スキルレベルが 3からでないと始められない職種があり、いきなりコンサルタントや、ITアーキテクトにはなれない、というコトが見てとれます。
ですから、まずはITスペシャリストでスキルを磨いた上で、ITアーキテクトへ移行することを要求されているわけです。

また、スキルレベルは次の表のように示されていますので、こちらも参考になさってください。

レベルと評価の概念
レベルと評価の概念

キャリアフレームワークと私

私は、このキャリアフレームワークで言うと、「カスタマーサービス」の事業部に配属されながら、「アプリケーションスペシャリスト」から始め「ITスペシャリスト」になり、「ITスペシャリスト」の事業部へ配属されてからは「ITサービスマネージメント」で運用をしながら「ITスペシャリスト」も兼務し、今では「セールス」と「ITアーキテクト」と「コンサルタント」を「セールス」の事業部でキャリアを実践しています。
一つのキャリアをすすめていくだけと言うことではなく、私のように複数のキャリアを経験しながら、自分に向いている仕事はなにかと自問自答する人生も悪くありません。

この業界だけでも、これだけの職種がありますので、一つのことにしがみつくだけではなく、他のキャリアにも浮気してみながらいろいろなことを実践してみて欲しいと、年寄りは考えています。

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